読書を習慣化したいけどできない人へ
読書を習慣化したい。でも、できない。
そして、そんな自分が、なんとなく嫌い。
多くの人が抱える悩みではないでしょうか。ちまたには、そんな人々のニーズをくみ取るように、さまざまな読書本があふれています。
言わずもがな、私もそんな「読書したい」と万年思い続けている1人でした。
今回は、本を月1冊も読めなかった私が月10冊安定して読めるようになった体験談を記録していきたいと思います。
同じ悩みを抱えている方の一助になればと思います。
私の読書履歴(本の虫になりたいプライドの肥大)
まず私の読書履歴の振り返りに少しお付き合いください。
中高生のころは、
数か月に1~2冊定期的に本を読む人間だったと思います。ある程度は本に触れているけれど、読書家ではない、そんなところでしょうか。
大学生~社会人数年目になると、
読書をしたい気力だけがある反面、ほぼ1ページも読み進められなくなりました。
ブックオフで気になる本を表紙買いして爆買いしては自宅に放置。
Amazonで気になる格安本をポチリまくっては自宅に放置。
図書館で貸出上限まで本を借りては1冊も読まずに返却し、また貸出上限まで借りる。
これらの謎の行動を繰り返していました。
…そんなに読まないのならば買わなきゃいいのに、借りなければいいのに、と思われるかもしれません。
しかし、本を手に取るその瞬間だけは、自分のことを「1日もあれば数冊を読み終えることができる本の虫」と思いこんだような錯覚に陥っていたのです。
そして、1ページも読まずに放置される本が視界に入るたびに現実の「1か月たっても1冊どころか1ページも読み進められない自分」が自覚され、自己嫌悪に陥るのです。
本を漁る
↓
読めない
↓
読めない自分が嫌いになる
というサイクルを永遠と繰り返していました。
学校や職場では、本を手に取っている姿だけは周りに目撃されていたため
「本を読むんだ、偉いね、まじめだね」という言葉を少なからずかけていただいたように思います。
そのたびに私は心の中で「違うんです!!!私そんなたいそうな人間じゃありません! この手に持っている本、本当に読むかは自分でもわかりません。というより多分読みません。でも、読みたい気持ちだけはあるので、とりあえず手に取るのをやめられません! こんな姿に騙されないでください! ごめんなさい!」と心の中で叫んでいました。
「聞く読書」との出会い
読書の手が止められなくなった作品との邂逅
そんなすっきりしない日々を過ごす中、転機が訪れました。
『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』
との出会いです。
とはいえ、最初の出会いは活字ではありません。
アニメです。
本漁りをする中で、以前からタイトルだけは知っていました。
しかし、その時は、全く読む気になりませんでした。
その理由はこのタイトル。
当時、本を読みたい願望だけが強い私のコンプレックスをぐりぐりと刺激しました。
そう、私にはこのタイトルはまぶしすぎた。
このタイトルと向き合う強さがはまったくありませんでした。
つまり、目を逸らして逃げていたのです。
このタイトルの主人公は、自分と違って本当に本を愛している人だから、本を読むのをやめられないんだ。
自分の読書欲は本当の読書好きの人と違って偽物なんだ。
読書している人になりたいだけのプライドの塊なんだ。
そんな卑屈な言葉が、次から次へと沸き上がってきました‥‥。
しかし、その気持ちは憧れの裏返しでもありました。
いつか自分もそうやって本を愛する人になりたい。
堂々と「私は読書家です」といえる人間になりたい。
しかもこの作品、当時のなろう小説のランキングやkindleのランキングを総なめしており、「ランキングに入っているということは、これを読んでいる人がいるんだ(←当たりまえ笑)。そうやって読んでいる人に比べて自分は・・・」と
作品に対してだけではなく、作品の読者にもコンプレックスを感じる始末でした。
(こうして書いていると、めちゃくちゃ嫉妬深く、面倒な人間ですね汗)
そうして何年かたったある時、アニメ化のニュースを目にしました。
「ずっと気になっていた作品だし、アニメだったら見る勇気があるかもしれない」
あの時、コンプレックスの底の方にあった小さな小さな憧れの気持ちでした。それが時を重ねて少しずつ大きくなって、何となく怖いもの見たさで視聴し始めたのです。
これが・・・とんでもなく面白かった・・・・!!
面白すぎて一気見しました。再生する指を自分でも止められませんでした。
あっという間に第1期をすべて見終わってしまったのです。アニメの1期は原作5巻までの内容でした。
やばい・・・続きが気になりすぎる・・・・。
何としてでも続きが知りたい。
調べてみると、なんとこの作品、とんでもない超大作で、書籍化しているところだけでも当時だけで十数巻あり、さらに未書籍化の分を含めると30巻ほどが予定されているそうだというのです。
当時、読書欲が強いくせに1ページも読めない症候群の私にとってあまりにも大きなハードルでした。
「どうしよう。今の自分の読書スキルでは到底、読める気がしない・・・・・。けど、どーしても続きが知りたい!!!知りたい!!!」
欲望を止められませんでした。
素人ながらひねり出した「聞く読書」術
当時の私は思い悩みました。
「どうすれば楽に『本好きの下克上』を読むことができるのか」と。
読書した意欲だけは人一倍あるのに、肝心な本を1ページも読み進められない、ちっぽけな自分。
そもそも、当時、読書という行動が億劫すぎて、本をめくる動作さえ嫌な時期がありました。かろうじて読めていた活字といえば、漫画でしたが、それでさえ
「私が読んだそばから、自動でめくれてくれればいいのに~。冬とかは袖から手が出ているだけでもやる気がなくなるんだよ~」
とこざかしいことを考えていました。
まず私は勝手に本をめくってくれるスマホ機能を調べ始めました。
そうこうしているうちに出会ってしまったのです。
スマホの読み上げ機能を使う、という「聞く読書」の方法に。
これは単純に画面に表示されている文字列をスマホが読み上げてくれる、という機能です。さらにkindleなどの電子書籍アプリの場合は、ページ送りも自動でしてくれるので、一度スタートボタンを押せば、停止するまでずっと読み上げてくれます。(私の求めていた自動ページめくり機能までついている!)
これなら今の自分でもできるかもしれない・・・。
試しに『本好きの下克上』1巻を購入して、読み上げ機能を使って聞く読書をしてみました。
そうしたら、これが快適快適。思ったより速いスピードでどんどん読み上げていってくれます。
当初は「日本語を正しく読み上げてくれるか」などの機能の性能面に不安もあったのですが、使用していくうちに、ほぼ問題なく、99%くらいの精度で正しく読み上げていってくれることがわかりました。漢字などの読みもほぼ間違いがありません。
最初に購入した1冊はなんと2日もかからずに読み終わってしまいました。
1冊を読み終わった瞬間、「え?これだけ?もう終わり??」
というのが正直な感想でした。
あれだけハードルを感じ、1ページさえ読めるか不安だった本があっという間に終わってしまったのです。
そして、案の定「次を読みたい」病を発症し、既刊分を次から次へと購入し、読み進めていき、あっという間に書籍化されている範囲を読み終えてしまいました。
しかし、未書籍化分はまだまだあります。当然ここで止められるわけはありません。
『小説家になろう』に無料アップされている原作を読み進め、そちらもあっという間に読み終わってしまったのです。
その期間なんと1か月半。
30巻近くある内容の本をたったの1か月半で、です。
今まで月に1ページも読み終えられなかった人間が、なんと月20冊にも迫る勢いで読破してしまったのです。これがどれだけ驚異的なことであったか、ぜひご想像していただきたいと思います。
しかも、すべて読み終わったとき、私の感情は「もう終わっちゃった。もっと読みたい」でした笑。
あれだけのボリュームがある書籍を苦も無くスルスルと読み終わってしまった自分自身に驚愕しました。しかも、休みの日にまとまって読んだというわけではありません。日々の仕事をいつも通りこなしながら、隙間時間を見つけて、習慣に落とし込んだことで達成できたのです。
今まで何年間何年も苦しみ続けた「読書をしたいけどできない」という状態から抜け出した瞬間でした。
「聞く読書」を習慣化したら、紙の本も読めるようになった
『本好きの下克上』を読み終わってしまった後、元の自分に戻ってしまうのではないか、と危惧していましたが、幸いにも読書習慣は消えませんでした。
kindleなどの電子書籍を買い、日常的に本を読むようになったのです。
おそらく、脳みその方で、読書をする具体的なイメージを作りやすくなり、リズムが出来上がったのだと思います。
読みたいと手に取った本が積読になったままにならず、消化されていく気持ちよさは、自分をちょっと好きになるきっかになりました。
しかも、小説のような軽い読み物だけではなく、400ページを超えるポピュラーサイエンスなどの本も難なく読了できるようになっていったのです。
そして、もう一つ大きな変化がありました。聞く読書ができるようになってしばらくして、紙の読書も難なく読み進められるようになったのです。
この相乗効果は自分でも予期しておらず、うれしい誤算だったといえます。
一般に書店で売られている書籍は大体300ページほどですが、それを1冊読み切るというイメージが自分の中でつくようになってきたからこその変化だと実感しています。
【まとめ】読書習慣をつけたいなら、「聞く読書」をはじめよう
過去の私のように、読書したい、あるいはしなきゃと思うけれど、全く読み進められない人は、まずは「聞く読書」をはじめてみてはいかがでしょう?
どんなものでも構いませんが、まずは自分の心の中から「これは興味がある!」という1冊を選ぶといいでしょう。そんな作品にまだ出会えていない、という方はライトノベルなどの小説から始めるのがおすすめです。それでもハードルが高い、という方は200ページもないエッセイ本なんてどうでしょうか。それでも・・・と思う方は、さらにページ数の少ない本を探してみてください。
とにかく、小さく始めて「1冊読み切った」という経験が、大きな宝になります。
今後、聞く読書の具体的なやり方、おすすめのツールなどをブログ内で紹介していくつもりです。
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